男もすなる日記「土佐日記」 復習編

読解(復習編)

はじめに

自己紹介はこちら

『土佐日記』冒頭文(男もすなる日記といふもの)の復習編です。しっかりと文章を声に出して読んで、自分のものにしてください。

本文を読む

 読むときに、これまで学習した内容をしっかり思い出しながら声を出して読みましょう。
今回は重要古語が少ないので、話の内容を想像しながら読んでみてください。

以下の部分を訳せるか確認。

以下の項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。できなかった人は、予習編第1回予習編第2回を見てください。

  • ①男もすなる日記といふものを、女もしてみんとて、するなり
  • ②それの年の、十二月の、二十日余り一日の日の、戌の時に門出す
  • ③とかくしつつののしる
  • ④船路なれど馬のはなむけす
  • ⑤上・中・下酔ひ飽きて
  • ⑥塩海のほとりにてあざれあへり
  • ⑦あらざなり
  • ⑧今は、とて見えざなるを
  • ⑨一文字をだに知らぬ者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ

板書を掲載していますが、それぞれの詳しい説明は予習編第1回予習編第2回にしてありますので、そちらをご覧ください。

今回の文章を理解するには多少の古文常識も必要になります。例えば、「土佐日記」がどういう作品なのか(女性に仮託して書いている等)、②にある通り、月の異名や十二支の使われ方を知ることなどです。そのような知識も入れていきながら、少しずつ古文の世界にも慣れていってくださいね。

文法の確認

今回は助動詞を中心に行います。推量系の助動詞も多いのでいきなりすべてを覚えるのは難しいですが、今回は慣れていくためにも多くを取り上げてみましょう。ぜひ、助動詞も一つずつ順番に学習していって、できることを増やしていってもらいたいです。助動詞の学習はこちらをご覧ください。

ここでは、本文を使って助動詞の意味を確認していきましょう。

本文中の青太字のもとの形(終止形)とそれぞれの文法的意味を答えなさい。

 男もす①なる日記といふものを、女もしてみ②とてする③なり
 それの年の十二月の二十日あまり一日の日の戌の時に、門出す。そのよし、いささかに物に書きつく。
 ある人、県の四年五年はてて、例の事どもみなし終へて、解由など取りて、住む館より出でて、船に乗る④べき所へ渡る。かれこれ、知る知ら⑤、送りす。年ごろよくくらべ⑥つる人々なむ、別れ難く思ひて、日しきりにとかくしつつののしるうちに、夜更け⑦
 二十二日に、和泉の国までと、平らかに願立つ。藤原のときざね、船路⑧なれど、馬のはなむけす。上中下、酔ひ飽きて、いとあやしく、潮海のほとりにてあざれあへ⑨
 二十三日。八木のやすのりといふ人あり。この人、国に必ずしも言ひ使ふ者にもあら⑩なり。これぞ、たたはしきやうにて、馬のはなむけし⑫たる。守柄にやあら⑬、国人の心の常として、「今は。」とて見え⑭なるを、心ある者は、恥ぢ⑯になむ来⑰ける。これは、ものによりてほむるにしもあら⑱
 二十四日。講師、むまのはなむけしに出でませ⑲。ありとある上・下、童まで酔ひしれて、一文字をだに知ら⑳者、しが足は十文字に踏みてぞ遊ぶ。

今回は、過去・完了系の助動詞、推量系の助動詞がたくさん出ています。すべてを現状で理解できている人は少ないかもしれませんが、何度も見返すうちに次第にできるようになりますので、諦めずに取り組んでいってください。まずはもとの形をそれぞれ挙げていきます。その語が持つ文法的意味を思い出せない状態であれば、各項目に移動して、確認してみてください。

「なり」「む」「なり」「べし」「ず」「つ」「ぬ」「なり」「り」「ず」「なり」「たり」「む」「ず」「なり」「ず」「けり」「ず」「り」「ず」

文法的意味は以下の通りです。

①伝聞 ②意志 ③断定 ④当然 ⑤打消 ⑥完了 ⑦完了 ⑧断定 ⑨完了 ⑩打消 ⑪伝聞 ⑫完了 ⑬推量 ⑭打消 ⑮伝聞 ⑯打消 ⑰過去 ⑱打消 ⑲完了 ⑳打消

助動詞が分かりだすと、文章の理解が一気に早くなります。がんばりましょう!
それではまた次回お会いしましょう。

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