はじめに
自己紹介はこちら
「和泉式部、保昌が妻にて」で始まる「十訓抄」の説話の復習です。しっかりと文章を声に出して読んで、自分のものにしていきましょう!
本文を読む
読むときに、これまで学習した内容をしっかり思い出しながら声を出して読みましょう。
特に、以下の単語の意味が本文の中で言えるか確認してみてください。
「心もとなし」(形・ク活)
「おぼす」(動・サ四)
「あさまし」(形・シク活)
「おぼえ」(名)
以下の部分を訳せるか確認。
以下の6項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。できなかった人は、予習編の第1回、第2回を見てください。
- ①丹後へ遣はしける人は参りたりや
- ②いかに心もとなくおぼすらむ
- ③大江山いくのの道の遠ければまだふみも見ず天の橋立
- ④思はずに、あさましくて
- ⑤かかるやうやはある
- ⑥おぼえ出でにけり
最終段落について(再度)
この文章は「十訓抄」の一節です。「十訓抄」は文字通り「十種類の教訓を伝えたお話」で、そもそもが子ども向けに書かれた文章です。子ども向けの教訓話なので、比較的読みやすいということで入試問題にもよく出題されています。教訓話である以上、最後に教訓めいた話が出てくることが多いです。そして、これは「十訓抄」に限らずですが、説話(集)や随筆(特に「徒然草」)などは、あるお話(エピソード)があって、それに基づく作者の感想や主張が書かれるという構成が非常に多く見られます。ですので、このような出典のときは、最後を見逃すことがないようにしてください。
この文章は「人を馬鹿にしてはならない」という教訓が書かれている話の一つなのですが、最後の段落では「このようなことはごく普通のことであるが、定頼中納言は小式部内侍が(すぐに)このようなすばらしい歌を詠むとは分からなかったのであろうか」と締めくくっています。定頼中納言は小式部内侍を馬鹿にした結果、とんだ恥をかいてしまったという話であったことから、作者が言いたいのはまさに「人を馬鹿にしてはならない」ということになりますね。
文法の確認
動詞・形容詞の確認です。あまり多くは出題せず、よく出るものに絞っています。動詞の活用の種類については、こちらをご覧ください。
本文中の青太字の活用の種類と活用形を答えなさい。なお、(エ)(ク)(コ)は形容詞、他は動詞である。
和泉式部、保昌が妻にて丹後に(ア)下りけるほどに、京に歌合(イ)ありけるに、小式部内侍、歌詠みにとられて詠みけるを、定頼中納言たはぶれて、小式部内侍ありけるに、「丹後へ(ウ)遣はしける人は参りたりや。いかに(エ)心もとなく(オ)思すらむ。」と言ひて、局の前を(カ)過ぎられけるを、御簾よりなからばかり(キ)出でて、わづかに直衣の袖をひかへて、
大江山いくのの道の(ク)遠ければまだふみも(ケ)見ず天の橋立
と詠みかけけり。思はずに、(コ)あさましくて、「こはいかに。かかるやうやはある。」とばかり言ひて、返歌にも及ばず、袖を引き放ちて、(サ)逃げられけり。
小式部、これより歌詠みの世におぼえ(シ)出で来にけり。
解答は以下のとおりです。
(ア)ラ行四段活用・連用形(イ)ラ行変格活用・連用形(ウ)サ行四段活用・連用形(エ)ク活用・連用形(オ)サ行四段活用・終止形(カ)ガ行上二段活用・未然形(キ)ダ行下二段活用・連用形(ク)ク活用・已然形(ケ)マ行上一段活用・未然形(コ)シク活用・連用形(サ)ガ行下二段活用・未然形(シ)カ行変格活用・連用形
では、また次の回でお会いしましょう。
コメント