芥川「伊勢物語」 復習編

読解(復習編)

はじめに

自己紹介はこちら

『伊勢物語』第六段(「芥川」)の復習編です。しっかりと文章を声に出して読んで、自分のものにしてください。

本文を読む

 読むときに、これまで学習した内容をしっかり思い出しながら声を出して読みましょう。
今回は重要古語が少ないので、話の内容を想像しながら読んでみてください。

お話を簡単に理解

今回は物語なので、展開をしっかり理解しておく必要があります。訳しにくいところは改めて学習するとして、まずは大まかな内容を思い出しながら確認してください。

第一段落
・男が簡単には自分のものにできそうにない女を長年求婚し続ける
・男は女を家から連れ出す
・芥川という川のほとりで、女は草の上に置く露を「何か」と尋ねる
・夜になって雷も鳴り雨も強く降るので、女を蔵に入れて男は玄関を守る
・蔵に鬼が出て、女を一口で食べてしまうが、男は雷の音で気づかない
・夜が明けて蔵の中をのぞくと女はいなくなっており、男は嘆き悲しんで和歌を詠む
第二段落
・鬼が何者であったのかの説明(謎解き)
・女は「二条の后」で、まだ若く入内する前の時のことであった

以下の部分を訳せるか確認。

以下の項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。できなかった人は、予習編第1回予習編第2回を見てください。

  1. 昔、男ありけり
  2. 女のえ得まじかりけるを
  3. 年を経てよばひわたりけるを
  4. 神さへいといみじう鳴り
  5. はや夜も明けなむ
  6. 白玉か何ぞと人の問ひし時露と答へて消えなましものを

板書を掲載していますが、それぞれの詳しい説明は予習編第1回予習編第2回にしてありますので、そちらをご覧ください。

文法の確認

今回は用言を中心に行います。これまでの復習だと思って取り組んでみてください。用言にまだ自身のない人はこちらのページに移動して、苦手な分野を学習してみてください。また、一部は助動詞や助詞の知識がないと解けないものもあります。あえて出題していますが、それは学習が進んでから再確認していけばよいでしょう。活用の種類と活用形を答える問題は、様々な知識が正確に理解できていないと解けるようにはなりません。何度も練習して、自分のものにしていきましょう。

本文中の青太字の活用の種類と活用形を答えなさい。

 昔、男①ありけり。女のえ②まじかりけるを、年を③てよばひわたりけるを、からうじて盗み出でて、いと④暗きに来けり。芥川といふ川を⑤て行きければ、草の上に置きたりける露を、「かれは何ぞ。」となむ男に⑥問ひける。行く先多く、夜も更けにければ、鬼ある所とも知らで、神さへいと⑦いみじう鳴り、雨も⑧いたう降りければ、⑨あばらなる蔵に、女をば奥に押し入れて、男、弓・(やな)(ぐひ)を負ひて戸口に⑩をり。はや夜も⑪明けなむと思ひつつ⑫⑫(たりけるに、鬼はや一口に食ひてけり。「あなや。」と言ひけれど、神鳴る騒ぎにえ聞かざりけり。やうやう夜も明けゆくに、見れば、率て⑬し女もなし。足ずりをして泣けども⑭かひなし

特に②⑪⑭が難しいです。助動詞や助詞の知識が必要になるので、現代段階では解答できないかもしれませんが、②⑬はふりがなを入れているので解答が可能です。また⑪は解説の⑤「はや夜も明けなむ」で説明しているので、そちらを確認してください。⑦⑧はウ音便です。どちらも連用形ですので、元の形に戻して考えてみてください。  

解答は以下の通りです。

①ラ行変格活用・連用形 ②ア行下二段活用・終止形 ③ハ行下二段活用・連用形 ④(形容詞)ク活用・連体形 ⑤ワ行上一段活用・連用形 ⑥ハ行下二段活用・連用形 ⑦(形容詞)シク活用・連用形 ⑧(形容詞)ク活用・連用形 ⑨(形容動詞)ナリ活用・連体形 ⑩ラ行変格活用・終止形 ⑪カ行下二段活用・未然形 ⑫ワ行神一段活用・連用形 ⑬カ行変格活用・未然形 ⑭(形容詞)ク活用・終止形

今回の用言の問題は、ある程度学習が進んでいても正答率は高くなかったのではないでしょうか。難易度が高めのものが多かったので、総復習という意味ではよかったと思います。
では、また次回お会いしましょう。

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