丹波に出雲といふところあり「徒然草」復習編

読解(復習編)

はじめに

自己紹介はこちら

今回は、「徒然草」第236段(丹波に出雲といふ所あり)の復習です。復習でやることも、実は予習とそんなに変わりません。

・本文を読む

 スマホの場合は画面を横にして、これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。特に、以下の単語の意味が本文の中で言えるか確認してみてください。

「めでたし」(形容詞・ク活)
「しる」(動詞・ラ四)
「あまた」(副詞)
「具す」(動詞・サ変)
「ゆゆし」(形容詞・シク活)
「いみじ」(形容詞・シク活)
「ゆゑ」(名詞)
無下むげなり」(形容動詞・ナリ活)
「ゆかしがる」(動詞・ラ四)
大人おとなし」(形容詞・シク活)
性無さがなし」(形容詞・ク活)
「つかまつる」(動詞・ラ四)
「いたづらなり」(形容動詞・ナリ活)

思い出せなかった人は予習編の第一回を再度見てください。

以下の部分を訳せるか確認。

以下の5項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。できなければ、予習編の第二回を再度見てください。

  • ①いざ、たまへ、出雲拝みに。 かひもちひ召させむ。
  • ②上人なほゆかしがりて、おとなしくもの知りぬべき顔したる神官を呼びて、
  • ③ちと承らばや
  • ④さがなき童べどものつかまつりける、奇怪に候ふことなり
  • ⑤上人の感涙いたづらになりにけり              

文法の確認

今回は助動詞の問題です。助動詞とはどのようなものかについては、こちらをご覧ください。
助動詞はたくさんありますが、本文に使われている助動詞の中で、「ず」「る」「らる」「す」(「さす」「しむ」)を確認します。それぞれの助動詞を確認しておいてください。

本文中の青太字の助動詞の意味と活用形を答えなさい。

 丹波に出雲といふ所あり。大社を移して、めでたく造れり。しだのなにがしとかやしる所なれば、秋のころ、聖海上人、そのほかも、人あまた誘ひて、「いざ、たまへ、出雲拝みに。かいもちひ召さ①む。」とて、具しもて行きたるに、おのおの拝みて、ゆゆしく信おこしたり。
 御前なる獅子・狛犬、背きて、後ろさまに立ちたりければ、上人いみじく感じて、「あなめでたや。この獅子の立ちやう、いとめづらし。深きゆゑあらむ。」と涙ぐみて、「いかに殿ばら、殊勝のことは御覧じとがめ②や。むげなり。」と言へば、おのおのあやしみて、「まことに他に異なりけり。都のつとに語らむ。」など言ふに、上人なほゆかしがりて、おとなしくもの知りぬべき顔したる神官を呼びて、「この御社の獅子の立て③られやう、さだめて習ひあることにはべらむ。ちと承らばや。」と言は④ければ、「そのことに候ふ。さがなき童べどものつかまつりける、奇怪に候ふことなり。」とて、さし寄りて、すゑ直して往にければ、上人の感涙いたづらになりにけり。

解答は以下のとおりです。

①使役・未然形  ②打消・終止形  ③受身・連用形  ④尊敬・連用
※③は下に名詞が来ているのに連用形なのは、おそらく「られ」と「やう」の間に「てある」が省略されているからだと考えられます。現代でも「家の建てられ方」などと使いますが、「建てられ(ている)方法」という解釈になりますからね。

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