児のそら寝 予習編第2回

読解(予習編)

はじめに

自己紹介はこちら

今回は「児のそら寝」の第二回です。前回の内容を思い出しながら進んでください。
することは「本文を読む」「人物の確認」「お話の理解」の3つです。その後、理解しにくい箇所の解説に進みましょう。

本文を読む

 スマホの場合は画面を横にして、前回の範囲の内容をしっかり思い出しながら、本文をじっくり読んでみましょう。思い出せなかった人は第一回を再度見てください。

生徒
生徒

前回は12行目の「念じて寝たるほどにまで読んだね」

登場人物の確認(再度)

 児(ちご)、僧たち

お話を簡単に理解

第一段落
・比叡山延暦寺にある児がいた
・他の僧がぼたもちを作ると話していて、児も食べたいと思った
・でも、子供が夜に起きているのはよくないと思って寝たふりをしていた
第二段落
・僧は起こしてくれたが、一度返事するのはよくないと思い、児は返事をしない
ーーーー(ここから第二回)ーーーー
・他の僧が起こすのはかわいそうだという→児は困る
・おいしそうな食べる音を聞いて、我慢できず児はずっと後になってから返事する
・僧たちは大笑い

理解しにくい箇所の解説を見る

 以下の4箇所が分かれば、ほぼ文章は理解できるはずです。

⑦な起こしたてまつりそ
⑧あなわびし
⑨食ふ音のしければ、すべなくて
⑩僧たち笑ふことかぎりなし

先生
先生

児を起こそうとした僧に、別の僧が声をかけます。

⑦な起こしたてまつりそ

 →(訳)お起こし申し上げないで。 

「たてまつる」は謙譲語の補助動詞と呼ばれるものです、今は「〜申し上げる」と訳すと知っておけばよいでしょう。

 「な――そ」
 =「――しないでください」
 ※やわらかい「禁止」を表す。

寝ているのに起こしたらかわいそうだと言われた児は、どういう行動にでたのだろう?

⑧あなわびし

 →(訳)ああ、つらい

「あな」=(感動詞)ああ

 「わびし」は、思うようにはかどらずやりきれないことを表し、「1苦しい、つらい/2さびしい(わびしい)」などと訳す。ここでは、「つらい」でよいでしょう。

 「わびし」
 1苦しい、つらい 2さびしい

もう一度起こしてほしいと児は思うが、僧は声をかけてくれません。児はつらいですね。

⑨食ふ音のしければ、すべなくて

 →(訳)食う音がしたので、どうしようもなくなって

「けれ」は「〜た」と過去の意味を表す助動詞。これが已然形になって、「ば」とつながっている。これの解釈は以下の通り。

「已然形+ば」(順接確定条件)
 1〜ので
(原因・理由)
 2〜(する)と/(した)ところ(偶然条件)
 ※「ば」が未然形に接続すると、順接仮定条件を表し、「もし〜ば」と訳すことなります。

  *「未然形」や「已然形」って何?という人はこちらをご覧ください

「すべなし」(術無し)
 =なすすべがない/どうしようもない
(術無し)は「ずちなし」と読むこともあります。意味はほぼ同じです。

あ、児がいきなり返事をしたよ。

⑩僧たち笑ふことかぎりなし

→(訳)(児がずっと後になってから返事したので)僧たちは(児の考えや行動が滑稽だと思い)この上なく笑った。

 「限りなし」=この上ない

もう一度、おおまかに話の内容を確認

文章全部読んで、内容を再確認しよう!

第一段落
・比叡山延暦寺にある児がいた
・他の僧がぼたもちを作ると話していて、児も食べたいと思った
・でも、子供が夜に起きているのはよくないと思って寝たふりをしていた
第二段落
・僧は起こしてくれたが、一度返事するのはよくないと思い、児は返事をしない
・他の僧が起こすのはかわいそうだという→児は困る
・おいしそうな食べる音を聞いて、我慢できず児はずっと後になってから返事する
・僧たちは大笑い

一通り学習を終えたら、復習編も読んでみてください。

追記

この文章は、動詞の活用の種類を学ぶために使われることも多いです。動詞について理解をしておきたい人は以下のページをご覧ください。

基本編第1回 古文文法 基礎事項の確認
 ・五十音 ・活用形 
 ・係り結びの法則

基本編第2回 動詞について(基本編)①
 ・動詞とは
 ・活用の種類について
  四段活用 上二段活用 下二段活用

基本編第3回 動詞について(基本編)②
 ・活用の種類について
  上一段活用 下一段活用 変格活用

基本編第4回 動詞について(発展編)
 ・活用の種類の見分け方 
 ・難易度の高い動詞

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