「若紫」(小柴垣のもと)第四回『源氏物語』テスト対策&練習問題

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 このページでは、学生時代に国語が苦手だった筆者が、この順番で学べばテストで点数が取れ、一気に得意科目にできたという経験をもとに、25年以上の指導において実際に受講生に好評だった「これなら古文が理解できる!」という学ぶ手順も具体的に紹介していきます。「テスト対策」では、テスト前に「これだけは覚えておいてほしい」という項目をできるだけ絞って説明しています。読み終わる頃には、テストに十分対応できる力がついていることでしょう。

「テスト対策」では文章全体の細かい現代語訳などは載せていません。現代語訳や丁寧な文章の解説などは、以下の「読解のコツ&現代語訳」をタップしてご覧ください。
また、出題ポイントがまとまっている板書パネルは「読解のコツ&現代語訳」にありますので、興味がある人はそちらもご覧ください。

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目次

「若紫」(小柴垣のもと)テスト対策 第四回

今回のテスト対策に入る前に、第一回〜第三回のテスト対策は以下からご覧になれます。

では、「若紫」(小柴垣のもと)の第4パートにおいて、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話しましょう。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。

STEP
本文を確認する

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。

STEP
読みで問われやすい語を確認する

古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。

STEP
あらすじを確認する

「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。

STEP
出題ポイントを確認する

ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。

STEP
出典について確認する

いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないのですが、確実に得点したいところです。

STEP
問題演習をする

本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。「スマホで学ぶ古文」は文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。

本文の確認

 テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。「テスト対策」はあえてふりがなをつけていません。不安な場合は、「読解のコツ」の「本文を読む」で確認してみてください。

 僧都あなたより来て、「こなたはあらはにや侍らむ。今日しも端におはしましけるかな。この上の聖の方に、源氏の中将の、わらは病みまじなひにものし給ひけるを、ただ今なむ聞きつけ侍る。いみじう忍び給ひければ知り侍らで、ここに侍りながら、御とぶらひにもまうでざりける。」とのたまへば、「あないみじや。いとあやしきさまを人や見つらむ。」とて簾下ろしつ。「この世にののしり給ふ光源氏、かかるついでに見奉り給はむや。世を捨てたる法師の心地にも、いみじう世の愁へ忘れ、齢ぶる人の御ありさまなり。いで御消息聞こえむ。」とて立つ音すれば、帰り給ひぬ。
 あはれなる人を見つるかな、かかれば、このすき者どもは、かかる歩
きをのみして、よくさるまじき人をも見つくるなりけり。たまさかに立ち出づるだに、かく思ひのほかなることを見るよ、とをかしう思す。さても、いとうつくしかりつる児かな、何人ならむ、かの人の御代はりに、明け暮れの慰めにも見ばや、と思ふ心深う付きぬ。

(『源氏物語』より)

この本文は途中からです。これより前の文章は以下の記事をご覧ください。

【第一回】小柴垣のもとでの源氏の垣間見(公開記事)

【第二回】女子(若紫)の登場(限定記事)

【第三回】尼君の女子を心配する和歌と女房の返歌(限定記事)

読みで問われやすい語

青線部の読みができるようになっておきましょう。

僧都あなたより来て、
・この上のの方に、
・とて下ろしつ。
延ぶる人の御ありさまなり。
・いで御消息聞こえむ。
・いとうつくしかりつるかな、

解答はこちら(タップで表示)

「僧都」は「そうず」、「聖」は「ひじり」、「簾」は「すだれ」、「齢」は「よわい」、「消息」は「しょうそこ」、「児」は「ちご」です。なお、すべて現代仮名遣いで示しています。

あらすじの確認

・尼君の兄である僧都がやってきて、外から丸見えであることを注意する
・光源氏がこの山の聖の坊に病気の祈祷をしにやってきているということを僧都が聞きつけた
・僧都は、光源氏がお忍びでやってきているのでご挨拶にも行っていない
・それを聞いた尼君は慌てて簾を下ろす
・僧都は尼君に光源氏に会うことをお勧めする
・会うだけで寿命が伸びそうに思う光源氏に、僧都はあいさつをしようとこの場を立つ
・光源氏は自分の姿を悟られないように尼君の家から去る
・尼君の家にいた女の子を思い出して、忍び歩きについて考える
・光源氏は、会えない藤壺の宮の身代わりとして女の子を見続けたいと強く思う

出題ポイント

以下の4項目が何も見ずに訳すことができるか。確認してください。理解ができたら改めて本文を解釈してみてください。

御とぶらひにもまうでざりける
見奉り給はむや
いで御消息聞こえむ
このすき者どもは、かかる歩きをのみして、よくさるまじき人をも見つくるなりけり

「テスト対策」では文章全体の細かい現代語訳などは載せていません。現代語訳や丁寧な文章の解説などは、以下の「読解のコツ&現代語訳」をタップしてご覧ください。
また、出題ポイントがまとまっている板書パネルは「読解のコツ&現代語訳」にありますので、興味がある人はそちらもご覧ください。

御とぶらひにもまうでざりける

(訳)はこちら(タップで表示)

お見舞いにも参上しなかったことよ。

出題ポイント

・「とぶらひ」の意味
・「まうでざりける」の訳出

僧都は、この北山に光源氏が病気の祈祷をしに来ていることを知りました。一方でお忍びで来ていたために、光源氏とはお会いできていませんでした。

「とぶらひ」は名詞ですが、これはハ行四段活用動詞「とぶらふ」が名詞化したものと考えます。「とぶらふ」(訪ふ)と書いた場合、「訪問する」「見舞う」という意味になり、これを名詞化したものなので、「見舞い」とすればよいでしょう。
次に「まうでざりける」ですが、「まうで」はダ行下二段活用動詞の未然形で、「参上する」という意味です。敬語動詞で謙譲語になります。「ざり」は打消の助動詞「ず」の連用形、「ける」は詠嘆の助動詞「けり」の連体形です。

以上をまとめると、「お見舞いにも参上しなかったことよ。」と訳すことができます。

見奉り給はむや

(訳)はこちら(タップで表示)

拝見なさったらいかがですか

出題ポイント

・「奉る」「給は」の敬語の種類と敬意の方向
・「や」の文法的意味
・全体の訳出

僧都は尼君に、光源氏と会うことを勧める場面です。

「見奉り給はむや」は「奉り」が謙譲語の補助動詞の連用形、「給は」が尊敬語の補助動詞の未然形です二方面敬語ですので、まずはそれぞれの敬意の方向を考えましょう。
この文は僧都が尼君に話をしているのですから、「尼君が源氏を見る」ように勧めている場面だと分かれば、「奉り(謙譲語)」が「僧都から源氏」への敬意、「給は(尊敬語)」が「僧都から尼君」への敬意だと分かります。

次に、「見奉り給はむや」の「む」です。助動詞「む」は通常、意志か推量になることが多いですが、ここでは別の意味になります。繰り返しになりますが、ここは尼君に光源氏と会うことを勧めている場面ですので、この助動詞「む」の文法的意味は「勧誘」になります
「や」は係助詞で、疑問を表すので、(光源氏を)見申し上げなさったらいかがですかと訳出できます。

いで御(せう)(そこ)聞こえむ

(訳)はこちら(タップして表示)

さあご挨拶を申し上げよう。

出題ポイント

・「いで」の品詞と意味
・「消息」の読みと意味
・「聞こえ」の意味
・全体の訳出

先ほど、尼君にも光源氏に会うことを勧めましたが、自分も挨拶をしに行こうと言っている場面です。

「いで」は感動詞ですが、相手に行動を促したり、自分が思い立って行動するときに発する語です。ここは自分のことですので、「さあ」と訳します
次に「消息」です。ふりがなは「せうそこ」ですが、読みは「しょうそこ(現代仮名遣い)」となります。もともと人の安否を確認する意味の語です。「安」が「息」、「否」が「消」です。「手紙」や「あいさつ」という意味を持ちます。ここは光源氏に直接会いにいくわけですから、この「消息」は「挨拶」という意味になります。「聞こえむ」の「聞こえ」は謙譲語の動詞「きこゆ」です。「言う」の謙譲語で、意味は「申し上げる」となります。「む」は意志の助動詞「む」の終止形です。

以上をまとめると、「さあご挨拶を申し上げよう。」と訳出できます。

このすき者どもは、かかる歩きをのみして、よくさるまじき人をも見つくるなりけり

(訳)はこちら(タップして表示)

この風流を愛する者たちは、このような忍び歩きばかりをして、めったに見つけられないような人をもよく見つけていたのだなあ。

出題ポイント

・「すき者」の意味、誰のことを指すか
・「かかる歩き」の「歩き」とは何のことか
・「さるまじき人」とはどのような人か
・「光源氏」にとっての「さるまじき人」とは誰か

光源氏が、尼君の家を去って滞在先に戻るときに考え事をしている場面です。この直前に「あはれなる人を見つるかな」とあります。光源氏は、「しみじみかわいらしい人を見てしまったよ」と女の子のことが頭から離れないようです。

「このすき者ども」は、「すき者」が「色好みの人」や「風流を愛する人」を表すのですが、これは光源氏の友人たちと雨の夜にさまざまな女性の品評をする機会があったところから来ています。これを「雨夜の品定め」というのですが、このときに他の男たちが、忍び歩きをして様々な女性たちと交際してきたことが語られています。また、「ども」は複数を表します。

「かかる歩き」の「歩き」は「忍び歩き」で、全体としては「このような忍び歩き」という意味です。「のみ」は限定を表す副助詞で「〜ばかり」です。現代語と同じですね。

「さるまじき人」は、「さる」が指示語で「そのような」、「まじき」が打消当然の助動詞「まじ」の連体形で、「〜はずがない」という意味なので、直訳すると「そのようであるはずがない人」なのですが、後ろに「みつくる」(見つける)とあるので、「めったに見つけられない人」などと意訳する必要があります。教科書では注がついているものも多いでしょう。

「みつくるなりけり」の「なり」は断定の助動詞「なり」の連用形、「けり」は詠嘆の助動詞「けり」の終止形です。よって、「見つけるのだなあ」と訳出できます。

風流を愛する色好みの友人たちは、忍び歩きをしてめったに見つけられないような美しい人を見つけていたのかと、光源氏が女の子(若紫)を見つけたことで、自分も同じ体験ができたと感心しているのです。

文学史・文学作品の確認

『源氏物語』は、日本最高峰の古典文学です。別ページに詳しくまとめていますので、そちらをぜひご覧ください。『源氏物語』特徴を簡単にまとめた板書パネルは、以下に示しておきます。

↑タップして画像を拡大できます

練習問題(一問一答&文法問題)

では、上記の内容が本当に理解できたか、実際に問題を解きながら確認してみましょう。

読解一問一答 5選

1「御とぶらひ」とは、誰に何をすることか。

解答(タップで表示)

光源氏に病気の見舞いをすること

2「見奉り給はむや」は誰が誰に言っている言葉か。

解答(タップで表示)

僧都が尼君に

3「見奉り給はむや」を現代語訳しなさい。

解答(タップで表示)

見申し上げなさったらいかがですか/拝見なさったらいかがですか

4「いで御(せう)(そこ)聞こえむ」を現代語訳しなさい。

解答(タップで表示)

さあご挨拶を申し上げよう

5「すき者ども」とはどういう意味か。また、源氏にとってはどのような人を指すか。

解答(タップで表示)

風流を愛する人(色好みの人)、源氏の友人の貴族たち(頭の中将など)

文法の確認

今回は助動詞と敬語です。助動詞・敬語についてまとめたものがありますので、以下のボタンをタップして内容を確認してみてください。

【問1】青線部①〜㉑の助動詞の文法的意味と活用形を答えなさい。

 僧都あなたより来て、「こなたはあらは①や侍ら②。今日しも端におはしまし③けるかな。この上の聖の方に、源氏の中将の、わらは病みまじなひにものし給ひ④けるを、ただ今なむ聞きつけ侍る。いみじう忍び給ひければ知り侍らで、ここに侍りながら、御とぶらひにもまうで⑤ざりける。」とのたまへば、「あないみじや。いとあやしきさまを人や見⑦らむ。」とて簾下ろし⑨。「この世にののしり給ふ光源氏、かかるついでに見奉り給は⑩や。世を捨て⑪たる法師の心地にも、いみじう世の愁へ忘れ、齢延ぶる人の御ありさま⑫なり。いで御消息聞こえ⑬。」とて立つ音すれば、帰り給ひ⑭

①〜⑭の解答はこちら(タップして表示)

①断定・連用形  ②推量・連体形  ③詠嘆・連体形  ④過去・連体形  ⑤打消・連用形  ⑥過去・連体形  ⑦完了(強意)・終止形  ⑧現在推量・連体形  ⑨完了・終止形  ⑩勧誘・終止形  ⑪完了(存続)・連体形  ⑫断定・終止形  ⑬意志・終止形  ⑭完了・終止形 

 あはれなる人を見⑮つるかな、かかれば、このすき者どもは、かかる歩きをのみして、よくさる⑯まじき人をも見つくる⑰なりけり。たまさかに立ち出づるだに、かく思ひのほかなることを見るよ、とをかしう思す。さても、いとうつくしかりつる児かな、何人⑲なら、かの人の御代はりに、明け暮れの慰めにも見ばや、と思ふ心深う付き㉑

⑮〜㉑解答はこちら(タップして表示)

⑮完了・連体形  ⑯打消当然(不可能)・連体形  ⑰断定・連用形  ⑱詠嘆・終止形  ⑲断定・未然形  ⑳推量・連体形  ㉑完了・終止形

【問2】青線部(1)〜(14)の敬語の種類と敬意の方向を答えなさい。

 僧都あなたより来て、「こなたはあらはにや(1)侍らむ。今日しも端に(2)おはしましけるかな。この上の聖の方に、源氏の中将の、わらは病みまじなひにものし(3)給ひけるを、ただ今なむ聞きつけ(4)侍る。いみじう忍び(5)給ひければ知り(6)侍らで、ここに(7)侍りながら、御とぶらひにも(8)まうでざりける。」と(9)のたまへば、「あないみじや。いとあやしきさまを人や見つらむ。」とて簾下ろしつ。

(1)〜(9)の解答はこちら(タップして表示)

(1)丁寧語・僧都から尼君へ  (2)尊敬語・僧都から尼君へ  (3)尊敬語・僧都から源氏へ  (4)丁寧語・僧都から尼君へ  (5)尊敬語・僧都から源氏へ  (6)丁寧語・僧都から尼君へ  (7)丁寧語・僧都から尼君へ  (8)謙譲語・僧都から源氏へ  (9)尊敬語・作者から僧都へ

「この世にののしり(10)給ふ光源氏、かかるついでに見(11)奉り(12)給はむや。世を捨てたる法師の心地にも、いみじう世の愁へ忘れ、齢延ぶる人の御ありさまなり。いで御消息(13)聞こえむ。」とて立つ音すれば、帰り(14)給ひぬ。

(10)〜(14)の解答はこちら(タップして表示)

(10)尊敬語・僧都から源氏へ  (11)謙譲語・僧都から源氏へ  (12)尊敬語・僧都から尼君へ  (13)謙譲語・僧都から源氏へ  (14)尊敬語・作者から源氏へ

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おわりに

今回は『源氏物語』若紫の巻「小柴垣のもと」の第4パートを復習しました。「小柴垣のもと」はこれでおしまいです。しかし、これは長い長い『源氏物語』のほんの冒頭の一部分なのです。これから先、いろいろな部分を読んでいくことになると思いますが、『源氏物語』のイメージを知るためにも、まずは「あさきゆめみし」を読んでもらいたいと思います(以下からも購入することができます)。

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