「筒井筒」第三回『伊勢物語』テスト対策&練習問題

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 このページでは、学生時代に国語が苦手だった筆者が、この順番で学べば文章の内容が分かるようになり、一気に得意科目にできたという経験をもとに、25年以上の指導において実際に受講生に好評だった「これなら古文が理解できる!」という学ぶ手順を具体的に紹介していきます。読んでいくだけで、文章の内容が分かるようになります。また、テスト前に学習すると、これだけ覚えておいたらある程度の点数は取れるという「テスト対策」にも多くの分量を割いて説明します。

「テスト対策」では文章全体の細かい現代語訳などは載せていません。現代語訳や丁寧な文章の解説などは、以下の「読解のコツ&現代語訳」をタップしてご覧ください。
また、出題ポイントがまとまっている板書パネルは「読解のコツ&現代語訳」にありますので、興味がある人はそちらもご覧ください。

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定期テスト対策が終わった後は、本格的な受験対策も考えないと……。かといって、学習塾へ行くのは時間がない。でも、もっとハイレベルな学習をしたい!という人には以下をオススメします。まずは資料請求をして、内容を確認してみましょう!

目次

テスト対策 第3回

 第1回・第2回のテスト対策は以下をタップしてご覧ください。

【第1回】

【第2回】

では、テストに出そうな内容にできるだけ絞ってお話します。テスト対策は次のような流れで行うとよいでしょう。このサイトは下記の流れで解説をしています。

STEP
本文を確認する

テスト直前でもすべきことの基本は、「本文を読むこと」です。これまで学習した内容をしっかり思い出しながら読みましょう。

STEP
読みで問われやすい語を確認する

古文の問一は「よみ」の問題であることが多いですね。出題されるものは決まっているので、ここで落とさないように、しっかり確認しておくことです。

STEP
あらすじを確認する

「どのような話」か、簡単に説明できる状態にしましょう。

STEP
出題ポイントを確認する

ここでのメインになります。古文はどうしても「知識」を問う必要があるので、問われる箇所は決まってきます。それならば、「よく問われる」出題ポイントに絞って学習すれば、大きな失点は防げそうですね。このサイトでは「よく問われる」箇所のみを説明していますので、じっくり読んでみてください。

STEP
出典について確認する

いわゆる「文学史」の問題です。テスト対策としては、それほど大きな点数にはならないので、時間がない場合は飛ばしてもよいかもしれません。

STEP
問題演習をする

本文読解の一問一答を解答し、古典文法の問題を解答します。古典文法の問題は必ず出題されます。それは、直接「動詞の活用」や「助動詞の意味」を問うような問題だけでなく、現代語訳や解釈の問題などでも出題されます。必ず問題を解いて、できるようになっておきましょう。このサイトは文法事項の説明も充実しているので、詳しく知りたいときは、ぜひそれぞれの項目に進んで学習してみてください。

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本文の確認

高安の女の行動と男が何に幻滅したのか。そんなことを思い出しながら読んでみてください。

 まれまれかの高安に来て見れば、はじめこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて、けこのうつは物に盛りけるを見て、心うがりて行かずなりにけり。さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
  君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
と言ひて見出だすに、からうじて、大和人「来む。」と言へり。よろこびて待つに、たびたび過ぎぬれば、
  君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる
と言ひけれど、男住まずなりにけり。(『伊勢物語』より)

読みで問われやすい語

「大和」「生駒」くらいです。「やまと」「いこま」ですが、地名なので出題率は低いでしょう。

あらすじの確認

・男はごくたまに高安の女のもとへ行く
・高安の女は始めこそ奥ゆかしくふるまうが、だんだんと打ち解けて、自分の手でしゃもじをとってご飯を盛る
・その様子に男はがっかりして、また通わなくなる
・そこで高安の女は大和の国を見て歌を送る
・男は「(高安の女のもとへ)行こう」というが、時間だけが過ぎる
・高安の女は改めて歌を送る
・男は通わなくなった

出題ポイント

以下の項目が何も見ずに訳すことができるか確認してください。

・はじめこそ(こころ)にくくもつくりけれ、
(きみ)があたり(み)つつを(を)らむ(い)(こま)(やま)(くも)なかくしそ(あめ)(ふ)るとも
(きみ)(こ)むと(い)ひし(よ)ごとに(す)ぎぬれば(たの)まぬものの(こ)ひつつぞふる

「テスト対策」では文章全体の細かい現代語訳などは載せていません。現代語訳や丁寧な文章の解説などは、以下の「読解のコツ&現代語訳」をタップしてご覧ください。
また、出題ポイントがまとまっている板書パネルは「読解のコツ&現代語訳」にありますので、興味がある人はそちらもご覧ください。

はじめこそ心にくくもつくりけれ、

(訳)はこちら(タップで表示)

(高安の妻は)始めこそ奥ゆかしくふるまったけれども、

《出題ポイント!》

・「心にくし」の意味
・全体の訳出(主語も含めて)

「はじめこそ」の「こそ」は係助詞で、「つくりけれ」にかかっていきます。ただ、「つくりけれ」は「、」で続いているため、文は完結していません。このような「こそーー(已然形)、・・・」となる形は文を「逆接」でつなぎ、「ーーけれども・・・」と解釈します。

次に「心にくく」ですが、「こころにくし」「憎らしいくらい心がひかれる」という意味の語で、奥ゆかしい/すぐれている」という意味になります。ここでは、「奥ゆかしい」でよいでしょう

最後に「つくりけれ」です。この「つくる」は「こしらえる」だけでなく、「する」という意味にもなります。つまり、様々な行動を「つくる」で表現できるわけです。直前が「奥ゆかしく」なので「する」でもよいですが、「ふるまう」や「取り繕う」などと訳すと自然な解釈になります。もちろん、「奥ゆかしくふるまった」のは高安の女です。また、「けれ」は過去の助動詞「けり」の已然形です。以上をまとめると、(高安の妻は)始めこそ奥ゆかしくふるまったけれども、」と訳すことができます。

打ち解けて自らご飯を盛る高安の女に、男は幻滅してしまい、また通わなくなります。

君があたり見つつを居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも

(訳)はこちら(タップで表示)

あなたのいらっしゃるあたりをいつでも見ていましょう。雲よ生駒山を隠してくれませんように。たとえ雨が降っても。

《出題ポイント!》

・「雲なかくしそ」の訳出
・句切れの位置
・「生駒山雲な隠しそ」を正しく解釈する
・「雨」が何を表しているか

「君があたり」は、「あなたの(住んでいる)辺り」と「住んでいる」を補うと意味が分かりやすくなります。「見つつ」の「つつ」は「継続」を表して「見続けて」と訳します。また、「居らむ」はラ変動詞「り」の未然形と意志の助動詞「む」の終止形です。ここで意味が切れるので二句切れの和歌になります。ちなみに、「居らむ」の直前の「を」は、調子を整える働きをしている間投助詞と呼ばれるものになります。ここまでをまとめると、「あなたの住んでいる辺りを見続けていましょう」となります。

「雲な隠しそ」は、「なーーそ」が重要古語(呼応の副詞+終助詞)で、「ーーないでください」という柔らかな禁止を表す表現です。ですので、「雲を隠さないでください」と訳します。ここでも意味が切れているので、先ほどと合わせて「二句・四句切れの歌」となります。

「生駒山雲な隠しそ」は格助詞がないので一見わかりにくいですが、高安の女が河内の国(大阪府)から大和の国(奈良県)を見ている場面での歌なので、内容から考えて「雲よ生駒山を隠すな」と解釈するのが自然でしょう。生駒山のある方角に男の住む大和の国があるからです。「生駒山よ雲を隠すな」では、女が雲に想いを込めていることになってしまって、文脈に合いません。また、ここでも文が切れているので、二句・四句切れの和歌だということも分かります

最後に「雨は降るとも」は「たとえ雨は降っても」と解釈するのは容易です。ただ、この「雨」というのは、高安の女の悲しみの涙をたとえていることは分かっておいた方がよいでしょう。

君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる

(訳)はこちら(タップで表示)

あなたが「来よう」とおっしゃったその夜が、毎夜毎夜そのたびごとにいつも(むなしく)過ぎ去っていますので、あてにはしないものの、あなたを恋しく思って過ごしています。

《出題ポイント!》

・助動詞の確認
・「頼まぬものの」の訳出
・「ふる」の意味・文法的知識

この歌も高安の女が歌ったものです。まずは上の句から解釈していきます。「来む」は高安の女への返事をそのまま使っています。「む」は意志の助動詞「む」の終止形です。「言ひし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形、「夜ごと」の「ごと」は「毎」と漢字を当てます。「過ぎぬれば」の「ぬれ」は完了の助動詞「ぬ」の已然形で、「ば」は順接確定条件の接続助詞で、「〜ので」でよいでしょう。ここまでまとめると、「あなたが『来よう』と言ったその夜が、毎夜毎夜そのたびごとに過ぎていきますので、」となります。

次に下の句です。
「頼まぬものの」の「頼む」は重要古語で、「あてにする」となります。「頼まぬものの」の「ぬ」は打消の助動詞「ず」の連体形、「ものの」逆接の接続助詞「…けれども/…とはいうものの」という意味で、まとめると「頼まぬものの」は「あてにはしないものの」と訳すことができます
「恋ひつつぞふる」のふる」はハ行下二段活用動詞「の連体形で、意味は「過ごす」です

男は和歌を読んでも通うことありませんでした。理由ははっきりと書いていないのですが、自分のことを待てずに何度も和歌を送ってくる女のことしつこいと感じたのか、それとも和歌で来てくれない恨みを直接的に述べてしまったことに無風流な面を感じ取ったのか、いずれにしても高安の女に男は魅力を感じられなかったみたいですね。

練習問題(一問一答&文法問題)

読解一問一答 5選

1「はじめこそ心にくくもつくりけれ、」を現代語訳しなさい。なお、「つくり(つくる)」は「ふるまう」と訳すこと。

解答(タップで表示)

(高安の妻は)始めこそ奥ゆかしくふるまったけれども、

2「君があたり見つつ居らむ生駒山雲なかくしそ雨は降るとも」は何句切れの歌か。

解答(タップで表示)

二句・四句切れ

3 先ほどの和歌の「生駒山雲なかくしそ」を現代語訳しなさい。

解答(タップで表示)

雲よ生駒山を隠さないでください

4「君来むと言ひし夜ごとに過ぎぬれば頼まぬものの恋ひつつぞふる」の「夜ごとに過ぎぬれば」を現代語訳しなさい。

解答(タップで表示)

毎夜毎夜そのたびごとにいつも(むなしく)過ぎ去っているので、
※接続助詞の「ば」は恒常条件を表し「〜するといつも」と訳すことに注意しましょう。

5 先ほどの歌の「頼まぬものの」とは、誰が何を「頼まぬ」のか。

解答(タップで表示)

高安の女が男の来訪を

文法の確認

今回も助動詞の確認です。助動詞のまとめは以下のボタンををタップしてご覧ください。

【問題】線部の助動詞の文法的意味と元の形(終止形)を答えなさい。(番号は第2回からの続きなので⑯からです)

 まれまれかの高安に来て見れば、はじめこそ心にくくもつくりけれ、今はうちとけて、手づからいひがひ取りて、けこのうつは物に盛りけるを見て、心うがりて行かずなりにけり。さりければ、かの女、大和の方を見やりて、
  君があたり見つつを居ら⑯生駒山雲なかくしそ雨は降るとも
と言ひて見出だすに、からうじて、大和人「来む。」と言へ⑰。よろこびて待つに、たびたび過ぎ⑱ぬれば、
  君来⑲と言ひ⑳夜ごとに過ぎぬれば頼ま㉑ものの恋つつぞふる
と言ひけれど、男住まずなりにけり。

【解答】はこちら

⑯意志・む ⑰完了・り ⑱完了・ぬ ⑲意志・む ⑳過去・き ㉑打消・ず

おわりに

以上で「筒井筒」の解説を終わります。今回のお話は男が高安の女には結局惹かれなかったという話でしたが、どうしても元の妻と比較してしまうと、風流さで見劣りがしたのでしょうね。そのくらい風流というのがこの時代の貴族たちには大きな要素だったのだと思われます。現代の私達においても、人との相性ということを考えるとき、合う合わないというのは一つの仕草で分かることがあるのかもしれません。そのくらい人間というのはある意味繊細な生き物なのですね。今回はそんなことを考えさせてくれる文章でした。古典はこのように人間味あふれる文章がたくさんあります。ぜひ「ビギナーズ・クラシックス」などで様々な文章に触れてみてください。

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